産後の回復に魚料理がいい理由!鯛のタンパク質・DHA効果を解説

産後の回復に魚料理がいい理由!鯛のタンパク質・DHA効果を解説

こんにちは、明石めで鯛やの女将です🐟
産後の食事について調べていると、「魚を食べましょう」という言葉によく出会います。けれど、なぜ魚なのかまで説明されていることは、意外と少ないのですよね。
肉ではいけないのか。卵や豆腐ではだめなのか。そんな疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。
この記事では、産後の体に魚がよいとされる理由を、栄養の面から順に説明してまいります。理由が分かれば、納得して選べますものね😊

目次

1. 産後の体は、何を必要としているのか

出産は、体にとって大きな出来事です。よく「交通事故に遭ったのと同じくらいの負担」と言われますが、実感としてもそう遠くないのではないでしょうか。

産後の体で起きていること

  • 組織の修復:子宮が元の大きさに戻り、傷ついた部分が治っていきます
  • 血液の回復:出産で失われた血液を、作り直す必要があります
  • 母乳の産生:血液を材料に、毎日大量の母乳が作られます
  • ホルモンの大変動:心身が不安定になりやすい時期です
  • 睡眠不足:本来必要な回復の時間が、圧倒的に足りません

つまり産後の体は、「工事現場」のようなものでございます。壊れたところを直し、失われたものを作り直し、そのうえで新しいもの(母乳)まで生産している。材料がいくらあっても足りない状態なのですね🐟

2. なぜ「肉より魚」と言われるのか

タンパク質なら、肉でも卵でも豆腐でも摂れます。それでも魚がすすめられるのには、理由がございます。

タンパク質 豊富 豊富
消化のよさ よい やや時間がかかる
脂質の質 DHA・EPA(不飽和脂肪酸) 飽和脂肪酸が中心
調理の手軽さ 焼く・煮るが短時間 火の通りに時間がかかることも
胃への負担 軽い やや重い

肉が悪いわけではございません。鉄分は赤身肉のほうが多いですし、どちらも必要な食材です。

ただ産後は胃腸の働きも落ちている時期。消化にエネルギーを使うより、栄養をすっと吸収できるほうが体は楽なのですね。そして何より、魚にしかないDHA・EPAという栄養素があることが大きいのです😊

3. タンパク質|体を作り直すための材料

産後にいちばん必要とされる栄養素が、このタンパク質でございます。

タンパク質が使われるところ

  • 子宮や産道の修復:傷ついた組織を作り直します
  • 母乳の産生:母乳にはタンパク質が含まれています
  • 筋肉の維持:不足すると、体力が戻りにくくなります
  • 免疫のはたらき:抗体の材料にもなります
  • 髪や肌:産後の抜け毛や肌荒れにも関わります

産後の抜け毛に悩まれる方は多いですが、あれはホルモンの影響が主で、栄養だけの問題ではございません。とはいえ、材料が足りなければ回復も遅れます。

鯛は低脂肪でありながら、タンパク質が豊富な魚です。脂質を抑えつつタンパク質をしっかり摂りたいとき、これ以上ない食材でございます🐟

4. DHA・EPA|魚にしかない栄養素

ここが「肉より魚」と言われる、いちばんの理由です。

DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)は、主に魚に含まれる脂肪酸で、体内でほとんど作ることができません。つまり食事から摂るしかないのです。

DHA・EPAについて言われていること

  • 赤ちゃんの発育:DHAは母乳を通じて赤ちゃんに届き、脳や神経、目の発達に関わるとされています
  • 母体の健康:血液の流れや、体内の炎症に関わるはたらきが研究されています
  • 産後の心の状態:気分との関連を調べた研究もありますが、結論が出ているわけではありません

※研究段階の内容も含まれます。DHAを摂れば必ずこうなる、というものではございません。栄養はあくまで、体を支える土台のひとつとお考えください。

授乳中は、母乳を通じてDHAが赤ちゃんに渡っていきます。つまりお母さんの体からは、どんどん出ていくのですね。だからこそ、意識して補いたい栄養素とされているのです😊

5. 鉄分・カルシウム・ビタミンD

鉄分

出産では相当量の血液を失います。産後の貧血は、疲れやすさ、めまい、動悸の原因に。魚では赤身のもの(鰹、鮪、鯖など)に多く含まれます。赤身肉やレバー、緑黄色野菜と組み合わせるのがおすすめです。

カルシウム

母乳に多く含まれるため、授乳中は不足しがちです。不足すると母体の骨から補われてしまいます。小魚、乳製品、大豆製品から摂れます。

ビタミンD

カルシウムの吸収を助ける栄養素です。魚には比較的多く含まれます。日光を浴びることでも体内で作られますが、産後は外出もままなりませんから、食事から摂れるのはありがたいところですね。

魚は、タンパク質とDHAだけでなく、これらの栄養も一緒に摂れるのが優れた点でございます🐟

6. 鯛が産後に向いている理由

① 低脂肪・高タンパク

脂質を抑えながらタンパク質を摂れます。産後の体重が気になる方にも。

② 消化がよい

白身魚のなかでも特に消化にやさしく、胃腸が弱っている時期に向いています。

③ 水銀の心配が少ない

厚生労働省が摂取量の目安を示している魚には含まれていません。量を気にせず召し上がれます。

④ やわらかく、食べやすい

食欲がないときでも喉を通ります。ゆっくり食事をする時間がない時期には、これが大きいのです。

⑤ 離乳食にも使える

やがて始まる離乳食でも、鯛は初期から使える魚とされています。同じ食材を家族で分けられるのは便利ですね。

⑥ 縁起がよい

栄養の話ではありませんが、「めでたい」に通じる魚を食べるというのは、気持ちの面でも悪くないものでございます😊

7. 白身魚と青魚、どちらがいいの?

よくいただくご質問です。結論から申しますと、どちらも召し上がっていただきたいというのが答えでございます。

白身魚(鯛・鱈・鮃など) 青魚(鯖・鰯・秋刀魚など)
タンパク質 豊富 豊富
脂質 少なめ 多め
DHA・EPA 含まれます 特に豊富
鉄分 少なめ 多め
消化 よい やや重い
向いている時期 産後すぐ〜。体調が優れない日にも 体力が戻ってきてから

産後まもない時期は消化のよい白身魚から始めて、体力が戻ってきたら青魚も取り入れる。そんな進め方が、体にやさしいと思います。

もっとも、これも「こうしなければ」という話ではございません。食べられるものを食べるのがいちばんですから🐟

8. 産後に無理なく魚を食べるには

栄養の理屈は分かっても、作る余裕がないのが産後でございます。現実的な方法をお伝えします。

① 缶詰を常備する

鯖缶、鮭缶、ツナ缶。開けるだけでタンパク質とDHAが摂れます。汁ごと使えば、栄養も逃しません。

② 炊き込みご飯にする

炊飯器にセットするだけで、主食とタンパク質が一度に。作り置きにもなります。

③ 汁物に入れる

切り身をお味噌汁に入れるだけ。水分も一緒に摂れて一石二鳥です。

④ 骨なしの切り身を選ぶ

骨を取る手間がないだけで、ずいぶん気が楽になります。

⑤ 調理済みのものを頼る

温めるだけのお品を冷凍庫に入れておくと、「今日はもう無理」という日を乗り切れます。

⑥ 家族に頼む

「魚を焼いて」だけなら、お願いしやすいのではないでしょうか。

当店の鯛めしセットは、炊飯器にセットするだけ。鯛しゃぶは湯にくぐらせるだけでございます。骨の処理も済ませてございますので、産後の台所でもお使いいただけるかと存じます😊

9. 栄養の話より、大事なこと

女将のひとこと

ここまで栄養の話をいろいろ書いてまいりましたが、最後にひとつだけ。
栄養の知識は、自分を責めるために使わないでくださいませ。
「今日も魚を食べられなかった」「タンパク質が足りていない」——そんなふうに、知識が重荷になってしまうことがあります。産後はただでさえ、できないことばかりが目につく時期ですから🐟

栄養は、毎日完璧である必要はありません。一週間、一か月という長い目で見て、だいたい足りていればよいのです。今日食べられなかったら、明日でいい。明日も無理なら、明後日でいい。

そして何より、お母さんが「おいしい」と思える食事をしてほしい。義務で食べるより、そのほうがずっと体に届くと私は思っております。
どうか、ご自分にやさしくしてくださいませ😊

※産後、体調がすぐれない、気持ちが落ち込む、極端に食欲がないといった状態が続くようでしたら、産婦人科や助産師さん、地域の保健センターにご相談ください。早めに頼ることが、いちばんの対処でございます。

産後の方におすすめのお品

10. まとめ

この記事のポイント

  • 産後の体は「修復・血液の回復・母乳の産生」を同時にこなしています
  • 魚がすすめられるのは、消化がよく、DHA・EPAが摂れるから
  • タンパク質は、組織の修復・母乳・髪や肌の回復すべてに関わります
  • DHA・EPAは体内でほとんど作れず、母乳から出ていく栄養素です
  • 鯛は低脂肪・高タンパクで消化がよく、水銀の心配も少ない魚です
  • 産後まもなくは白身魚、体力が戻ったら青魚も、という進め方が無理がありません
  • 栄養の知識で、自分を責めないこと。長い目で足りていれば十分です

産後の体は、毎日少しずつ回復しています。目には見えませんが、確実に。
その回復を支えるのが、日々の食事でございます。完璧でなくて構いません。食べられる日に、食べられるものを。それで十分でございます🐟😊

よかったらシェアしてね!
目次
閉じる