授乳中に鯛は食べていい?安全性・栄養・水銀の心配をQ&A形式で解説
こんにちは、明石めで鯛やの女将です🐟
「授乳中だけど、お魚って食べていいのかしら」
「水銀が心配だと聞いたけれど、本当のところはどうなの?」
そんなご質問を、ときどきいただきます。産後は情報が多すぎて、何を信じればいいのか分からなくなりますよね。私も経験がありますので、よく分かります。
この記事では、授乳中のお魚について、よくあるご質問にひとつずつお答えしてまいります。結論から申しますと、鯛は授乳中の方に向いた魚でございます。その理由も含めて、ご説明しますね😊
1. 結論|鯛は授乳中でも安心して召し上がれます
先に結論からお伝えします。
鯛は、授乳中の方が安心して召し上がれる魚です。水銀の含有量が少なく、厚生労働省が注意を呼びかけている魚にも含まれておりません。
それどころか、授乳中に必要な栄養を多く含んだ、むしろ積極的に召し上がっていただきたい魚でございます🐟
授乳中にお魚を食べるべき理由
- 良質なタンパク質が、体の回復と母乳の材料になります
- DHA・EPAは、赤ちゃんの発育に関わるとされています
- 肉に比べて消化がよく、産後の体にやさしい食材です
- 不足しがちな鉄分やカルシウムも摂れます
「魚は危ない」というより、「一部の魚だけ量に気をつければ、あとはむしろ食べたほうがよい」というのが実際のところでございます。
2. そもそも、なぜ水銀が心配されるのか
不安の正体を知っておくと、必要以上に怖がらずに済みます。少しだけご説明しますね。
水銀が魚に含まれる仕組み
- 自然界には、ごく微量の水銀が存在しています
- 小さな魚が取り込み、それを大きな魚が食べる
- この連鎖のなかで、食物連鎖の上位にいる大型魚ほど蓄積しやすいのです
- ですから注意が必要なのは、マグロやメカジキなどの大型魚が中心です
ここで大事なのは、この注意喚起は主に「妊娠中の方」に向けられたものだということです。胎児は母体から直接影響を受けるため、慎重を期す必要があるのですね。
授乳中については、妊娠中ほど厳密に考えなくてよいとされています。とはいえ、大型魚を毎日たくさん、ということでなければ、心配しすぎる必要はございません🐟
3. 注意が必要な魚と、そうでない魚
| 区分 | 魚の例 | 考え方 |
|---|---|---|
| 量に気をつけたい魚 | メカジキ、キンメダイ、クロマグロ、メバチマグロ、キダイ、マカジキ、ユメカサゴ、ミナミマグロ など | 厚生労働省が妊婦さん向けに摂取量の目安を示している魚です |
| 特に制限のない魚 | 鯛(マダイ)、鮭、鯵、鯖、鰯、秋刀魚、鰹、ブリ、カツオ、ツナ缶(キハダ・カツオ)など | 普通に召し上がって問題ないとされています |
※厚生労働省「これからママになるあなたへ お魚について知っておいてほしいこと」に基づく整理です。詳しくは同省の資料をご確認くださいませ。
「キダイ」と「マダイ」はまったく別の魚です
注意が必要な魚のなかに「キダイ」という名前があり、混乱される方がいらっしゃいます。
キダイは「レンコダイ」とも呼ばれる別種の魚で、私どもが扱っているマダイとは異なります。一般に「鯛」としてお祝いに使われるのはマダイのほうです。
マダイは摂取量の目安が示されている魚には含まれておりませんので、ご安心くださいませ🐟
4. 鯛が授乳中に向いている4つの理由
① 低脂肪・高タンパク
産後に必要なタンパク質を、脂肪を抑えながら摂れます。体の回復にも、母乳づくりにも欠かせない栄養素です。
② 消化がよい
白身魚は消化にやさしく、産後の弱った胃腸にも負担をかけません。食欲がないときでも、喉を通りやすいのが助かります。
③ 水銀の心配が少ない
摂取量の目安が示されている魚ではありませんので、量を気にせず召し上がっていただけます。
④ アレルギーの心配が比較的少ない
鯛は白身魚のなかでも、離乳食の初期に使われることが多い魚です。それだけ体にやさしい食材とされているのですね。
そして何より、やわらかくて食べやすい。授乳中はゆっくり食事をする時間もありませんから、これは思いのほか大事なことでございます😊
5. Q&A|授乳中のお魚のこと
Q. 毎日食べても大丈夫ですか?
鯛のように注意対象でない魚であれば、毎日でも問題ありません。ただ、いろいろな食材をバランスよく召し上がるほうが、栄養も偏りませんね。
Q. お刺身は食べてもいいですか?
授乳中であれば、妊娠中ほど神経質になる必要はないとされています。ただし産後は体力が落ちている時期ですので、食中毒には気をつけてください。鮮度の確かなものを、信頼できるお店で。
Q. 母乳の味が変わるのでは?
「魚を食べると母乳が生臭くなる」といった話を聞くことがありますが、科学的な根拠は乏しいとされています。心配しすぎなくて大丈夫です。
Q. 赤ちゃんがアレルギーになりませんか?
お母さんが特定の食品を避けることで、赤ちゃんのアレルギーを予防できるという明確な根拠はないとされています。かえって栄養が偏るおそれもありますので、自己判断で制限しないほうがよいでしょう。ご家族にアレルギーの既往がある場合は、医師にご相談ください。
Q. 缶詰の魚でもいいですか?
もちろんです。手軽に食べられるのは、産後には大きな利点。鯖缶や鮭缶は、栄養価も高く便利ですね。
Q. 骨が心配で、魚を避けてしまいます
お気持ち分かります。切り身や、骨を取り除いたお品を選べば安心です。当店の鯛しゃぶや鯛めしも、骨の処理は済ませてございます。
Q. 魚が苦手なのですが
無理に召し上がる必要はありません。タンパク質は肉や卵、大豆製品からも摂れます。「食べなければ」と思い詰めるほうが、体によくありませんから。
Q. どのくらいの量を食べればいいですか?
1日に1食、手のひらサイズを目安にお考えください。ただし毎日きっちり、と構えなくて大丈夫。週に数回でも十分です。
6. 授乳中に控えたほうがよいもの
お魚以外についても、簡単に触れておきますね。
控えたほうがよいもの
- アルコール:母乳に移行します。授乳中は控えるのが基本です
- カフェイン:1日1〜2杯程度なら問題ないとされていますが、摂りすぎには注意を
- タバコ:母乳への影響のほか、受動喫煙の問題もあります
神経質にならなくてよいもの
- 香辛料・カレー:かつては避けるよう言われましたが、根拠は乏しいとされています
- 甘いもの・脂っこいもの:「乳腺が詰まる」という説は、明確な根拠がありません
- 特定の食品の除去:医師の指示がない限り、自己判断での制限は避けてください
授乳中の食事制限については、昔からの言い伝えと、現在の知見が食い違っていることが少なくありません。年長の方から言われて戸惑うこともあると思いますが、迷ったら医療者にご確認くださいませ🐟
7. 手軽に魚を食べる方法
「魚がいいのは分かったけれど、調理が大変」——これが本音ですよね。
手間をかけずに魚を食べるには
- 缶詰を使う:開けるだけ。そのままでも、汁物に入れても
- 切り身を冷凍しておく:焼くだけで一品になります
- 炊き込みご飯にする:炊飯器におまかせで、一品完成です
- 汁物に入れる:具材として加えるだけ。水分も一緒に摂れます
- 調理済みのお品を頼る:温めるだけのものを常備しておくと安心です
8. 不安なときは、遠慮なく相談を
授乳中の食事について、ここでは一般的なことをお伝えしました。けれどお一人おひとり、状況は違います。
持病がある、服薬している、赤ちゃんの体調が気になる、母乳の出に不安がある——そうした個別のご事情については、産婦人科の先生、小児科の先生、助産師さん、地域の保健センターなどにご相談ください。専門の方に直接うかがうのが、いちばん確かでございます。
また、インターネットには情報があふれています。不安を煽るような記事に触れて、かえって心配になってしまうこともありますよね。迷ったら、目の前にいる専門家の言葉を信じてくださいませ🐟
9. まとめ
この記事のポイント
- 鯛(マダイ)は授乳中でも安心して召し上がれます。水銀の注意対象ではありません
- 注意が必要なのはマグロやメカジキなど、食物連鎖の上位にいる大型魚です
- 「キダイ(レンコダイ)」は別の魚。一般に食べるマダイとは異なります
- 鯛は低脂肪・高タンパクで消化がよく、授乳中に向いた魚です
- 魚を避けるより、むしろ積極的に召し上がっていただきたい食材です
- 香辛料や甘いものの制限は、根拠が乏しいとされています
- 個別の不安は、医師や助産師さんにご相談を
産後は、情報が多すぎて疲れてしまいますよね。あれも駄目、これも駄目と言われると、食べること自体が怖くなってしまいます。
けれど実際には、気をつけるべきことは思ったより少ないのです。どうか安心して、おいしいものを召し上がってくださいませ🐟😊










女将のひとこと
産後は、魚を一尾さばくどころか、切り身を焼く気力もない日がございます。私もそうでした🐟
ですから当店では、下ごしらえを済ませたお品をご用意しております。鯛めしなら炊飯器にセットするだけ、鯛しゃぶなら湯にくぐらせるだけ。骨の処理も済ませてございます。
「ちゃんと料理しなければ」と思わなくて大丈夫でございます。頼れるものに頼って、少しでも横になる時間を作ってくださいませ。お母さんが休むことが、いちばん大事なのですから😊