免疫力アップに魚料理を!鯛に含まれるビタミン・ミネラルの働き
こんにちは、明石めで鯛やの女将です🐟
「免疫力を上げる食べ物」——季節の変わり目や風邪の流行る時季になると、よく目にする言葉です。
ただ、正直に申しますと、「これを食べれば免疫力が上がる」という食べ物はございません。免疫というのは、そんなに単純な仕組みではないのですね。
では食事は関係ないのかというと、そうでもありません。栄養が不足すると、免疫のはたらきは確実に落ちます。つまり「上げる」より「落とさない」ほうが、正確な言い方かもしれません。
この記事では、そのあたりを正直にお伝えしながら、鯛が貢献できるところをご紹介しますね😊
1. 正直に申します|「免疫力アップ」について
魚を売る店がこんなことを言うのもなんですが、はっきりさせておきたいと思います。
よくある表現
「◯◯を食べれば免疫力アップ!」
実際のところ
- 免疫は、多くの細胞や物質が関わる複雑な仕組みです
- 「免疫力」という数値があるわけではありません
- 特定の食品を食べて、免疫が劇的に強くなるということはありません
- ただし栄養が不足すれば、免疫のはたらきは確実に落ちます
つまり、食事でできるのは「上げる」ことではなく「下げない」ことなのですね。
地味な話ですが、こちらのほうが確かです。そして実は、こちらのほうが大事でもあります。土台が崩れていては、何を足しても効きませんから🐟
2. 栄養不足が、免疫のはたらきを落とします
栄養が足りないと、こうなります
- 免疫細胞が作れない:細胞も抗体も、材料はタンパク質です
- 粘膜のバリアが弱くなる:鼻や喉の粘膜は、最初の防御線です
- 傷の治りが遅くなる:修復には栄養が必要です
- 体力が落ちる:回復する力そのものが弱まります
特に注意していただきたいのが、高齢の方と極端な食事制限をしている方でございます。
食が細くなって必要な栄養が摂れていない、ダイエットでタンパク質が足りていない——こうした状態では、免疫のはたらきが落ちやすくなります。「痩せたいから食べない」が、体調を崩す原因になることもあるのですね😊
3. 免疫に関わる栄養素
① タンパク質
免疫細胞も抗体も、材料はタンパク質です。これが不足すると、他をいくら摂っても始まりません。
② ビタミンA
皮膚や粘膜の健康に関わります。粘膜は、体に侵入しようとするものを防ぐ最初の壁です。
多く含む食品:人参、かぼちゃ、ほうれん草、レバー
③ ビタミンC
免疫細胞のはたらきに関わるとされています。体内に蓄えておけないため、こまめに摂る必要があります。
多く含む食品:柑橘類、パプリカ、ブロッコリー、いちご
④ ビタミンD
近年、免疫との関わりが注目されている栄養素です。魚に多く含まれます。
多く含む食品:魚全般、きのこ類、卵黄
⑤ ビタミンE
抗酸化作用があるとされます。
多く含む食品:ナッツ類、植物油、かぼちゃ
⑥ 亜鉛
不足すると免疫のはたらきが落ちるとされ、味覚にも関わります。
多く含む食品:牡蠣、赤身肉、魚介類、豆類
⑦ 鉄
不足すると、免疫細胞のはたらきにも影響するとされます。
多く含む食品:赤身肉、レバー、赤身の魚、緑黄色野菜
ずらりと並べましたが、要はいろいろなものをバランスよく食べるということに尽きます。特定の栄養素だけ大量に摂っても、意味がないのですね🐟
4. タンパク質が、いちばんの土台です
数ある栄養素のなかで、まず押さえていただきたいのがタンパク質でございます。
タンパク質が関わるところ
- 免疫細胞:白血球などの細胞そのものの材料です
- 抗体:体に入ってきたものに対抗する物質も、タンパク質でできています
- 粘膜:防御の最前線である粘膜の材料にもなります
- 酵素:体内のさまざまな反応に必要です
どんなにビタミンを摂っても、材料となるタンパク質がなければ、免疫細胞も抗体も作れません。家を建てるのに、釘ばかりあっても木材がないようなものですね。
鯛は100gあたり約20gのタンパク質を含み、しかも低脂肪。効率よくタンパク質を摂れる食材でございます😊
5. 鯛から摂れる、免疫に関わる栄養
| 栄養素 | 鯛に含まれる量の目安(100gあたり) | はたらき |
|---|---|---|
| タンパク質 | 約20g | 免疫細胞・抗体の材料。いちばんの土台です |
| ビタミンD | 約5〜7μg | 免疫との関わりが注目されている栄養素です |
| ビタミンB群 | B1・B2・B6・ナイアシンなど | 代謝全般に関わります |
| 亜鉛 | 約0.4mg | 微量ですが含まれます |
| DHA・EPA | 約600〜900mg(DHA) | 体内の炎症に関わるはたらきが研究されています |
| タウリン | 含まれます | 肝臓のはたらきに関わるとされます |
※おおよその目安です。産地・時季・養殖か天然かで変わります。
鯛の強みは、タンパク質とビタミンDを同時に摂れるところでしょうか。
足りない栄養は、他の食材で補ってください。野菜やきのこと一緒に鍋にすれば、それだけでかなりの栄養がそろいます🐟
鯛しゃぶ鍋で摂れるもの
- 鯛:タンパク質、ビタミンD、DHA
- 白菜・水菜:ビタミンC、食物繊維
- 人参:ビタミンA
- きのこ:ビタミンD、食物繊維
- 豆腐:タンパク質、カルシウム
- ねぎ:ビタミンC、香り成分
- ぽん酢(柑橘):ビタミンC
——鍋物というのは、よくできた料理でございますね😊
6. 腸内環境と免疫の関係
近年よく言われるのが、腸と免疫の関わりでございます。
腸には多くの免疫細胞が集まっているとされ、腸内環境を整えることが体調全体に関わると考えられています。
腸内環境を整えるために
- 発酵食品:味噌、納豆、漬物、ヨーグルト
- 食物繊維:野菜、海藻、きのこ、豆類
- 水分:不足すると腸の動きが悪くなります
- 規則正しい食事:時間がばらばらだと、腸のリズムも乱れます
和食は、この点でよくできた食事だと思います。お味噌汁、納豆、漬物、魚、野菜——昔ながらの献立には、必要なものがひととおりそろっているのですね🐟
7. 体調を崩したときの食事
風邪をひいた、熱が出た——そんなときは、食事の考え方も変わります。
体調が悪いときのポイント
- 水分をいちばんに:発熱時は特に失われます
- 消化のよいものを:胃腸も弱っています
- 無理に食べない:食欲がないときは、水分だけでも
- 温かいものを:体を冷やさないように
- 回復期にタンパク質を:食べられるようになったら、しっかり摂ってください
体調を崩したときに向く鯛料理
- 潮汁:水分と塩分、そして旨味。弱った体にしみます
- 鯛のお茶漬け:さらさらと食べられます
- 鯛の雑炊:消化がよく、体も温まります
- 鯛しゃぶ:回復期に。やわらかく、食べやすい一品です
鯛は消化がよく、低脂肪ですので、胃腸が弱っているときにも向いた魚でございます。回復してきたら、タンパク質をしっかり摂って体力を戻してくださいませ😊
※高熱が続く、水分が摂れない、症状が長引くといった場合は、必ず医療機関を受診してください。
8. 食事以外にできること
正直に申しますと、食事だけでは限りがございます。他にできることのほうが、効果が大きいかもしれません。
体調を整えるために
- 睡眠:いちばん大事かもしれません。睡眠不足は体調に直結します
- 適度な運動:激しすぎない、無理のない範囲で
- ストレスをためない:心の状態は、体に影響します
- 体を冷やさない:特に冬場は意識して
- 手洗い・うがい:地味ですが、確実な方法です
- 予防接種:必要に応じて、医師とご相談を
よく眠って、よく食べて、適度に動く。結局のところ、当たり前のことがいちばん効くのですね🐟
9. 女将が実感していること
バランスのよい食卓におすすめのお品
10. まとめ
この記事のポイント
- 「これを食べれば免疫力が上がる」という食べ物はありません
- 食事でできるのは「上げる」ことより「下げないこと」です
- いちばんの土台はタンパク質。免疫細胞も抗体も、材料はこれです
- 鯛はタンパク質とビタミンDを同時に摂れる食材です
- 野菜・きのこ・豆腐と一緒に鍋にすれば、多くの栄養がそろいます
- 腸内環境も関わります。和食は、この点でよくできた食事です
- 食事以上に睡眠が大事かもしれません
特別なものを足すより、当たり前のことを積み重ねるほうが確かでございます。
よく眠って、いろいろなものを食べて、体を動かす。地味ですが、これに勝るものはないのだと思います。
そのなかの「いろいろなもの」のひとつとして、鯛をお役立ていただければ幸いです🐟😊










女将のひとこと
私は30代後半のときに思わぬ病気が見つかり、手術と入院を経験いたしました。それ以来、食べることと健康について考えるようになったのですが、ここ数年、またひとつ実感していることがございます🐟
年々、筋肉が落ちてきたなと感じます。2年ほど前には、ちょっとしたことで「なんだか痛いな」と病院へ行ったら、肋骨にひびが入っていたこともありました。転んだわけでもないのに、です。
それからは意識して歩くようにして、献立も魚・肉・野菜のバランスを考えて組むようになりました。
続けてみて分かったことがございます。食べ物に気をつけていると、体が元気だと感じるのです。
そしてもうひとつ、面白いことに気づきました。何かが不足していると、体が求めている感じが分かるようになったのです。
「今日はお肉が食べたい」「無性に野菜が食べたい」。あれは単なる気分ではなく、体からの便りなのではないかと思うようになりました。
「免疫力を上げる食べ物」を探すより、体の声を聞けるようになるほうが、ずっと確かな気がしております。
そのためには、やはりいろいろなものを食べることですね。偏っていると、体の声も鈍くなってしまいますから。
鯛は、肉が続いたときの切り替えにちょうどよい食材でございます。低脂肪で高タンパク、ビタミンDも摂れて、そのうえ美味しい。
どうぞ、バランスのひとつとしてお役立てくださいませ😊