明石焼きを自宅で作ろう!本格レシピと道具の選び方を解説
こんにちは、明石めで鯛やの女将です🐟
「明石焼き、家で作れますか?」——よくいただくご質問でございます。
正直にお答えいたします。少し難しゅうございます。けれど、作れないわけではありません。
難しいのには、はっきりした理由がございます。「じん粉」という特別な粉が要ること、そして生地がやわらかすぎて返しにくいこと。この二つでございます。
逆に申しますと、この二つさえ分かっていれば、ご家庭でもかなり近いものが作れます。
この記事では、材料の選び方から焼き方のコツまで、できるだけ正直にお伝えいたします。そして「やっぱり難しそう」という方のために、もっと手軽な方法もご紹介いたしますね😊
1. 正直なところ、家で作れるのでしょうか
結論から申し上げます。
「それなりのもの」は作れます。「お店とまったく同じ」は難しゅうございます。
家庭で作るときの壁
- じん粉が手に入りにくい スーパーにはまず置いておりません
- 生地がやわらかくて、返すのが難しい たこ焼きのように、くるりとはいきません
- 銅板がない たこ焼き器でも作れますが、熱の伝わり方が違います
- 出汁も要る 玉子焼だけでなく、つけ出汁も用意しなければなりません
- 慣れが要る 最初の数回は崩れます。これは仕方のないことでございます
けれど——崩れても美味しいのです。
形が多少悪くても、味は変わりません。出汁につけて食べてしまえば、同じことでございます。
ですから「きれいに作ろう」と思わないこと。これがいちばんのコツかもしれません。気楽に始めてみてくださいませ🐟
2. 鍵を握るのは「じん粉」です
明石焼きの、あのふわとろの食感。
その正体は「じん粉」でございます。
じん粉とは
漢字では「沈粉」、あるいは「浮粉(うきこ)」とも書きます。
小麦粉からグルテン(たんぱく質)を取り除いた、でんぷんの粉でございます。
小麦粉を水の中で洗い、沈んだでんぷんを集めて乾かしたもの。「沈む」から「沈粉」、「浮く」から「浮粉」。呼び方が二通りあるのは、製法の見方が違うからでございます。
なぜ、これが必要なのか
グルテンがないから、粘りが出ないのでございます。
小麦粉で作ると、グルテンの働きで生地に弾力が出ます。それがたこ焼きの「もちっ」とした食感。
けれど明石焼きに欲しいのは、とろけるような、はかない食感。だから粘りの出ない粉を使うのです。
じん粉は、和菓子にもよく使われる材料でございます。
くず餅のような透明感のあるお菓子、ういろう、桜餅。関西の食文化とは、とても縁の深い粉なのですね😊
3. じん粉はどこで手に入るか・代用品は
じん粉の入手先
- 製菓材料店 和菓子の材料として置いてあることが多いです
- 通販 「じん粉」「浮き粉」で探すと見つかります。これがいちばん確実です
- 大型のスーパー 製菓材料コーナーに置いてあることも
- 明石の魚の棚商店街 明石にいらっしゃるなら、地元のお店で
- 業務用食材店
手に入らないときの代用品
片栗粉
いちばん手軽な代用品でございます。じゃがいものでんぷんですので、やはり粘りが出ません。
完全に同じにはなりませんが、かなり近い食感にはなります。まずはこれで試してみるのがよいでしょう。
コーンスターチ
とうもろこしのでんぷん。こちらも使えますが、片栗粉のほうが近い仕上がりになります。
上新粉・白玉粉は向きません
これらは米の粉で、性質が違います。明石焼きには不向きでございます。
まずは片栗粉で試してみて、気に入ったらじん粉を取り寄せる——これがおすすめの順番でございます。
いきなり材料を揃えて、一度作ってやめてしまうのはもったいないですから🐟
4. 道具の選び方
| 道具 | 特徴 | 向き不向き |
|---|---|---|
| 明石焼き用の銅板 | 本場で使われるもの。熱の伝わり方が抜群 | ◎ ただし高価で、手入れも要ります |
| ガス直火のたこ焼き器 | カセットコンロにのせるタイプ | ○ 火力が出るので向きます |
| 電気たこ焼き器 | 家庭でもっとも一般的 | △ 温度が上がりにくいのが難点 |
| ホットプレートのたこ焼きプレート | お持ちの方も多いでしょう | △ 同上。使えますが、少しコツが要ります |
道具選びのポイント
- 火力が出るものを選ぶ 明石焼きは短時間で一気に焼くのが基本です。温度が低いと、いつまでも固まりません
- 穴が浅いものより、深いもの 生地がゆるいので、浅いとあふれます
- 銅板は本格派向け 熱伝導は最高ですが、焦げ付きやすく手入れも必要です
- まずは手持ちのたこ焼き器で 買い足す前に、一度試してみてくださいませ
電気のたこ焼き器をお使いの場合は、しっかり予熱することが大事でございます。
十分に熱くなってから生地を入れる。これだけで、ずいぶん違ってまいります😊
5.【レシピ】明石焼きの生地
材料(約30個分・2〜3人前)
- 卵 4〜5個(たっぷり使うのが明石焼きです)
- じん粉(浮き粉) 40g ※なければ片栗粉で代用
- 薄力粉 40g
- だし汁 400ml(昆布と鰹節で引いたもの。必ず冷ましておきます)
- 塩 ひとつまみ
- 薄口醤油 小さじ1/2(なくても構いません)
- ゆでだこ 150gほど(1.5cm角に切る)
- 油 適量(焼き型に塗る分)
生地の作り方
- ① だし汁を引いて、しっかり冷ます
※熱いまま卵を入れると、固まってしまいます。ここは絶対に守ってくださいませ - ② ボウルにじん粉と薄力粉を入れ、だし汁を少しずつ加えながら溶く
※一度に入れるとダマになります。最初は少しずつ、ペースト状にしてから伸ばします - ③ 溶いた卵を加えて、さっくり混ぜる
※混ぜすぎないこと。泡立てる必要はありません - ④ 塩と薄口醤油で、ごく薄く味をつける
※出汁につけて食べますので、生地は薄味で十分でございます - ⑤ ザルで濾す
※これがプロのひと手間。ダマがなくなり、なめらかな口当たりになります
できあがった生地は、驚くほどゆるいはずでございます。
「こんなにしゃばしゃばで大丈夫?」と心配になるくらい。それで正解でございます。たこ焼きの生地とは、まったく違うものだと思ってくださいませ🐟
6.【レシピ】つけ出汁
明石焼きは、出汁につけていただきます。この出汁も、味の半分でございます。
つけ出汁の材料(2〜3人分)
- だし汁 500ml(昆布と鰹節で)
- 薄口醤油 小さじ2
- みりん 小さじ1
- 塩 少々
- 三つ葉または青ねぎ 適量
作り方
- ① だし汁を温める
- ② 薄口醤油、みりん、塩で味をととのえる
- ③ お椀に注ぎ、三つ葉や青ねぎを浮かべる
つけ出汁のコツ
- 吸い物より、やや薄め 玉子焼自体にも味がついていますので
- 温かく保つ 冷めると美味しくありません。小さな鍋ごと食卓に出すのも手です
- 濃口醤油は使わない 色が濃くなり、味も重くなります。薄口が基本です
- 薬味を忘れずに 三つ葉があると、香りがまるで違います
女将は三つ葉が絶対派でございます。
鯛の潮汁でも、鍋の締めの雑炊でも、そして明石焼きの出汁でも。あの香りが立った瞬間に、味がひとつ上に行くのです。ぜひお試しくださいませ😊
7. 焼き方の手順
焼き方
- ① 焼き型をしっかり予熱する
※ここが大事。生ぬるい状態で生地を入れると、くっついて失敗します - ② 油をたっぷりめに塗る
※刷毛や、油を含ませたキッチンペーパーで。穴の中までしっかりと - ③ 生地を穴いっぱいに流し込む
※少し溢れるくらいでも構いません。あとで寄せられます - ④ たこを一つずつ入れる
- ⑤ 周りが固まってくるまで待つ
※ここで焦らないこと。まだ返しません - ⑥ 竹串で縁をぐるりとはがし、そっと返す
※たこ焼きのように「くるり」とはいきません。半分ずつ、少しずつ回すつもりで - ⑦ 表面が固まったら、取り出す
※焼き色をつける必要はありません。白っぽいままで正解です - ⑧ あげ板(または平皿)に並べる
たこ焼きと違って、こんがり焼き色をつけません。
明石焼きは、表面がかろうじて固まっているくらいが理想でございます。白っぽくても大丈夫。中はとろとろのままでよいのです。
「生焼けでは?」と不安になるかもしれませんが、卵がたっぷり入っておりますので、火はちゃんと通っております🐟
8. 失敗しやすいところと、その対策
① 返すときに崩れる
いちばん多い失敗でございます。
- 原因 返すのが早すぎる/温度が低い/油が足りない
- 対策 もう少し待つ。縁がしっかり固まるまで我慢してください
- 対策 油をたっぷりめに。けちらないことです
- 対策 一度に返そうとせず、半分ずつ回すように
- そして 崩れても味は同じです。気にしないでくださいませ
② 生地がくっつく
- 原因 予熱不足/油不足
- 対策 しっかり熱してから、油を塗る。この順番が大事です
③ ダマになる
- 原因 粉に一度に水分を加えた
- 対策 だしは少しずつ。そして最後にザルで濾す
④ 卵が固まってしまった
- 原因 だしが熱いまま卵を入れた
- 対策 だしは必ず冷ましてから。急ぐなら氷水に当てて冷まします
⑤ いつまでも固まらない
- 原因 火力不足
- 対策 電気たこ焼き器は温度が上がりにくいので、予熱を長めに。ガス直火のほうが向きます
⑥ 味がぼんやりする
- 原因 だしが弱い
- 対策 生地のだしも、つけ出汁も、しっかり引いたものを。顆粒だしでも構いませんが、昆布と鰹で引くとまるで違います
9.「あげ板」の代わりになるもの
明石焼きは、傾斜のついた木の板にのせて出されます。これを「あげ板」と申します。
なぜ板なのか。やわらかすぎて、容器に入れると崩れてしまうからでございます。
ご家庭での代用
- 木のまな板 清潔な布巾を敷いて。いちばん近い形です
- 平らな大皿 丸皿より、平皿のほうが崩れにくいです
- 木製のトレー・カッティングボード 雰囲気も出ます
- 傾斜をつけたいなら 板の奥に割り箸などを挟んで、少し傾けると本場らしくなります
深い器に入れてしまうと、重なったところから崩れます。平らなところに、間隔をあけて並べるのがコツでございます😊
10. 本場の味に近づける、五つのコツ
① 卵をけちらない
明石焼きは、名前のとおり卵が主役でございます。粉を減らしてでも、卵はたっぷり使ってくださいませ。
② だしは必ず冷ます
何度でも申し上げます。熱いだしに卵を入れると固まります。これだけは守ってください。
③ 生地は濾す
ザルで一度濾すだけで、口当たりがまるで変わります。プロとの差は、こういうところに出るのでございます。
④ 焼き色をつけない
たこ焼きの癖で、つい焼き込んでしまいがちです。白っぽいままで取り出す——これが明石焼きでございます。
⑤ 出汁に手を抜かない
明石焼きは出汁で食べる料理でございます。玉子焼がうまく焼けなくても、出汁がよければ美味しくいただけます。
逆に、玉子焼が完璧でも出汁が薄ければ物足りない。力を入れるべきは、実は出汁のほうかもしれません🐟
11. もっと手軽に|明石焼きキットという選択肢
ここまで作り方をご説明してまいりましたが——
「じん粉を取り寄せて、だしを引いて、たこを切って……ちょっと大変そう」
そうお思いになった方も、いらっしゃると思います。正直、そのとおりでございます😅
そんな方に、ご案内したいものがございます。
明石焼きキット
明石めで鯛やのカードギフトや選べるグルメギフトでは、明石焼きキットをお選びいただけます。
- 材料をそろえる手間がありません じん粉を探し回らなくて済みます
- 配合が決まっております 分量で悩む必要がありません
- 出汁も付いております ここが地味にありがたいところです
- ご家庭で焼きたてが食べられます これがキットのいちばんの価値でございます
- お子さまと一緒に作れます 焼く作業そのものが楽しいのです

カードギフトは、お品物ではなくカードをお届けするかたちのギフトでございます。
受け取った方が、ご自身でお好きなお品を選んでご注文いただけます。鯛の商品を選ぶもよし、明石焼きキットを選ぶもよし。
こんな場面におすすめです
- お子さまのいらっしゃるご家庭へ 焼く作業が、そのままイベントになります
- 明石を懐かしく思っている方へ ご出身の方、以前住んでおられた方に
- お好みが分からないとき 選ぶのはご本人ですので、外れません
- 法人のご贈答に 価格的にもよく出ているお品でございます
- ご自宅用にも もちろん、ご自分で楽しんでいただいて結構です
12. まとめ
明石焼きを家で作るポイント
- 鍵は「じん粉(浮き粉)」。グルテンがないので、とろける食感になります
- 手に入らなければ片栗粉で代用できます。まずはこれで試してみてください
- 道具は火力の出るものを。ガス直火のたこ焼き器が向きます
- だしは必ず冷ましてから卵を入れる。これだけは絶対です
- 生地は驚くほどゆるいのが正解。そしてザルで濾すとなめらかに
- 返すのは縁が固まってから。焦らず、半分ずつ回すように
- 焼き色はつけません。白っぽいままで取り出してください
- つけ出汁は薄口醤油で。三つ葉を忘れずに
- 崩れても味は同じ。きれいに作ろうと思わないことがいちばんのコツです
- 手軽にお楽しみになりたい方は、カードギフトや選べるグルメギフトで明石焼きキットをお選びいただけます
明石焼きは、ご家庭で作るとなると少し手間のかかる料理でございます。
けれど、焼いている時間そのものが楽しいのです。みんなで囲んで、「崩れた」「上手にできた」と言い合いながら焼く。
鍋と同じで、作ることと食べることが同時に起きる料理。だから食卓が賑やかになります。
どうぞ、気楽に挑戦してみてくださいませ。そして明石にお越しの際は、ぜひ本場の「玉子焼」も召し上がってみてください🐟😊

市岡.jpg)








女将のひとこと
女将も、たまに無性に明石焼きが食べたくなります。
地元におりますと、毎日食べるものではございません。けれど年に何度か「今日は玉子焼にしよか」という日があるのですね。あのふわとろと、出汁の香り。やはり落ち着きます。
そしてお取引先の方がはじめて明石にいらしたとき——お昼に一緒に食べに行くことがございます。
「これが明石焼きですか」と驚かれて、箸で持ち上げようとして崩して、笑って。そういう時間が、ずいぶん距離を縮めてくれるのです。
ご家庭で作るときも、同じだと思います。崩れても、笑いながら食べればそれでいい。そういう料理でございます🐟