鯛の出汁茶漬けの作り方!旨味たっぷりの黄金だしで楽しむ贅沢ご飯
こんにちは、明石めで鯛やの女将です🐟
一日の終わりに、熱い出汁をかけたお茶漬けをさらさらと。あれほど体にしみるものは、そうそうございません。
なかでも鯛の出汁茶漬けは格別です。上品な鯛の身に、熱い出汁が触れた瞬間、表面がふわりと白く変わる。あの一瞬がたまらないのですよね。
この記事では、鯛の出汁茶漬けの作り方を、出汁の引き方から丁寧にお伝えします。夜食にも、二日酔いの朝にも、おもてなしの締めにも使える一杯でございます😊
1. 鯛の出汁茶漬けが、とくべつに美味しい理由
お茶漬けにする魚はいろいろありますが、鯛はそのなかでも抜きん出て向いています。理由は3つございます。
① 熱で「半生」になったときが、いちばん美味しい
鯛は火を通しすぎると硬くなりますが、熱い出汁をかけた程度の火の入り方がちょうどよいのです。表面は白く、中はしっとり半生。この状態が鯛のいちばんの食べごろだと、私は思っております。
② 鯛自身から旨味が出る
出汁をかけると、鯛からも旨味が溶け出します。つまり出汁が二重になるのですね。食べ進めるほど、汁が美味しくなっていきます。
③ 上品な味だから、出汁の邪魔をしない
脂の強い魚だと、汁に脂が浮いてしまいます。鯛は上品なので、出汁の澄んだ味わいを損ないません。
2. お茶漬けと出汁茶漬けは、別のものです
どちらも「お茶漬け」と呼ばれますが、実は別物でございます。
| かけるもの | 味わい | |
|---|---|---|
| お茶漬け | 煎茶・ほうじ茶 | さっぱり。お茶の渋みと香りが主役 |
| 出汁茶漬け | 昆布と鰹の出汁 | 旨味が深く、料亭の締めの味わい |
鯛には出汁のほうがおすすめです。お茶の渋みは鯛の繊細な甘みを隠してしまいますが、出汁の旨味は鯛の旨味と重なって、互いを引き立て合うのです🐟
※どうしてもお茶で召し上がりたいときは、渋みの少ないほうじ茶か玄米茶を。出汁と半々に割るのも良い方法です。
3. 材料|必要なのはこれだけ
材料(2人分)
- 鯛の刺身用さく……100g程度(薄めのそぎ切りに)
- 温かいごはん……茶碗2杯分
- 出汁……400ml
- 薄口醤油……小さじ2
- 塩……ひとつまみ
- みりん……小さじ1(お好みで)
薬味
- わさび……少々
- 刻み海苔……適量
- 白ごま……適量
- 三つ葉または青ねぎ……適量
- あられ……お好みで
4. 黄金だしの引き方
出汁茶漬けの味は、出汁で決まります。少し手間をかけるだけで、まるで違うものになりますよ。
一番だしの引き方
- ① 水500mlに昆布10gを入れ、30分ほど浸す(できれば前夜から)
- ② 弱火にかけ、沸く直前に昆布を引き上げる
- ③ 沸騰したら火を止め、鰹節15gを入れる
- ④ 1分ほど置いて、鰹節が沈んだらこす
- ⑤ 絞らない。自然に落ちるのを待つ
⑤の「絞らない」が大事です。強く絞ると雑味とえぐみが出て、せっかくの澄んだ出汁が濁ってしまいます。ぽたぽた落ちるのを、じっと待ってください😊
味つけは薄口醤油と塩だけ。濃口醤油だと色が濃くなり、鯛の白さが映えません。「少し薄いかな」と思うくらいで止めるのが、ちょうどよい塩梅です。
※急ぐときは市販の白だしやだしパックでも構いません。その場合も、色の薄いものを選んでください。
5. 作り方|三分で完成します
手順
- ① 鯛をそぎ切りにする(3mmほどの薄め)
- ② 出汁を温め、薄口醤油と塩で味を調える(熱々に)
- ③ 茶碗に温かいごはんをよそう
- ④ 鯛を少しずつ重ねながら、ごはんの上に並べる
- ⑤ わさび、刻み海苔、白ごま、三つ葉をのせる
- ⑥ 熱い出汁を、鯛の上から回しかける
- ⑦ 鯛の表面が白く変わったら、召し上がれ
⑥が、この料理のいちばんの見せ場でございます。鯛の上から出汁を注ぐと、透き通っていた身がすっと白く変わっていく。あの瞬間を見るために作っているようなものです🐟
お客さまにお出しするときは、出汁を別の急須に入れて、食卓で注いでいただくのも素敵です。目の前で色が変わる様子を楽しんでいただけますよ😊
6. 美味しく仕上げる6つのコツ
① 鯛は薄く切る
厚いと熱が通りきらず、生のままになってしまいます。3mm程度の薄めが、ちょうどよく火が入る厚さです。
② 出汁は熱々に
ぬるい出汁では鯛の色が変わりません。沸騰直前まで温めてから注いでください。
③ ごはんは温かいものを
冷やごはんだと、出汁の温度が下がってしまいます。炊きたて、または温め直したものを。
④ 味つけは薄めに
鯛からも旨味が出ますし、食べ進めるほど濃くなります。最初は物足りないくらいがちょうどよいのです。
⑤ わさびは鯛の上に
出汁に溶かすと香りが飛びます。鯛にちょんとのせて、食べるときに少しずつ溶かすのが正解です。
⑥ すぐに食べる
置いておくと鯛に火が入りすぎて硬くなり、海苔もふやけます。注いだらすぐに召し上がってください。
7. アレンジ|胡麻だれ・昆布締め・鯛めしの残りで
胡麻だれ茶漬け(博多風)
すりごま・醤油・みりん・砂糖を混ぜたたれに、鯛を10分ほど漬けてからごはんにのせます。濃厚でコクがあり、これはこれで後を引きます。お酒のあとの締めに。
昆布締めで作る茶漬け
昆布締めを使うと、身が締まっているぶん食感がしっかり残り、昆布の旨味も加わります。生の鯛より深みのある一杯に。私はこちらも好きでございます。
鯛めしの残りで
炊いた鯛めしが余ったら、翌日は出汁をかけてお茶漬けに。すでに味がついているので、出汁は薄めに。これが本当に美味しいのです。
焼いた鯛で
塩焼きの残りをほぐしてのせても。香ばしさが加わって、生とはまた違う味わいになります。生ものが苦手な方にも。
締めの雑炊がわりに
鯛しゃぶの出汁が残ったら、それを使ってお茶漬けにするのも贅沢です。鯛の旨味がたっぷり溶けた出汁ですから、味つけはほとんど要りません。
8. 女将の思い出|鯛の出汁茶漬けという商品のこと
それまでは、どうぞご家庭で作ってみてください。良い鯛と、丁寧に引いた出汁さえあれば、お店の味に近いものができあがります。
当店の鯛は、脂のりのよい愛媛の鯛。鯛しゃぶの切り身が少し余ったときや、鯛の昆布締めが残ったときに、ぜひお試しくださいませ🐟
9. こんな場面におすすめです
お酒のあとの締めに
飲んだあとの一杯として、これ以上のものはありません。胃にやさしく、するすると入っていきます。
おもてなしの最後に
コースの締めに出すと、きれいにまとまります。食卓で出汁を注いでいただくと、ひと手間かけた印象に。
夜食に
遅い時間でも、重たくありません。温かいものが体にしみます。
食欲のない日に
夏バテのとき、体調が優れないとき。「何も食べたくない」という日でも、これなら喉を通ります。
ご年配の方に
やわらかく、飲み込みやすい一品です。噛む力が気になる方にも召し上がっていただけます。
10. まとめ
この記事のポイント
- 鯛は熱い出汁で「半生」になる火の入り方が、いちばん美味しい状態です
- 鯛にはお茶より出汁。お茶の渋みは鯛の甘みを隠してしまいます
- 出汁は昆布を沸かす前に引き上げ、鰹節は絞らずにこすこと
- 鯛は3mmの薄切り、出汁は熱々、ごはんは温かいものを
- 味つけは薄めに。食べ進めるほど鯛の旨味で濃くなります
- 昆布締めや鯛めしの残りで作るのもおすすめです
どんなに疲れた日でも、熱い出汁をかけたお茶漬けが一杯あれば、なんとかなる気がするものです。
ご馳走ではないけれど、こういう一杯こそが日々を支えてくれるのだと思っております。ぜひ作ってみてくださいませ🐟😊










女将のひとこと
実は当店でも、以前鯛の出汁茶漬けを商品としてお出ししていたことがございます。
いまは販売を休止しておりまして、お求めいただけないのが心苦しいのですが……あのお品を気に入ってくださった方も多く、私自身も愛着のある一品でした🐟
お茶漬けというのは、ご馳走ではないのですよね。ハレの日の料理ではなく、日常の、少し疲れた日の一杯。そういうものを扱えるのは、作り手としてありがたいことだったなと思っております。
またいつか、機会があればお出ししたいと考えております。「あれ、また出ないの?」というお声がありましたら、ぜひお聞かせくださいませ。お客さまのお声は、何よりの後押しになりますので😊