鯛を食べると肌がきれいになる?コラーゲン・タンパク質の美容効果
こんにちは、明石めで鯛やの女将です🐟
「コラーゲンたっぷりで、お肌がぷるぷるに」——食べ物の美容効果について、そんな言葉をよく見かけます。鯛も、皮やかぶとにコラーゲンが多い魚ですので、同じように語られることがございます。
けれど正直に申しますと、「食べたコラーゲンが、そのままお肌のコラーゲンになる」わけではございません。ここは誤解の多いところです。
では、鯛は美容に関係ないのかというと、そうでもないのですね。この記事では、言い切れることと言い切れないことを正直に分けながら、鯛と美容の関係をお伝えします😊
1. 正直に申します|コラーゲンの誤解について
魚屋の女将がこんなことを言うのもなんですが、よく聞く話を整理しておきたいと思います。
よくある説明
「鯛の皮やかぶとにはコラーゲンが豊富。食べればお肌がぷるぷるに!」
実際のところ
食べたコラーゲンは、消化の過程でアミノ酸やペプチドに分解されます。そのまま肌のコラーゲンになるわけではございません。
分解されたアミノ酸は、体のなかで必要な場所に使われます。肌に行くかもしれませんし、他の組織に使われるかもしれません。「コラーゲンを食べたから肌のコラーゲンが増える」という単純な話ではないのですね。
ただし、これは「意味がない」という話ではありません。
コラーゲンはタンパク質の一種です。体内でコラーゲンを作るには、材料となるアミノ酸が必要で、それは食事から摂るしかありません。タンパク質をしっかり摂ることは、やはり大事なのです🐟
※近年は、コラーゲン由来のペプチドに関する研究も進んでいます。ただし結論が出ているとは言えない段階ですので、過度な期待はなさらないでくださいませ。
2. では、何が肌に関係するのか
肌は、毎日少しずつ作り替えられています。その材料になるのが、食べたものでございます。
肌づくりに関わる栄養素
- タンパク質:肌そのものの材料です。いちばん基本となる栄養素
- ビタミンC:体内でコラーゲンを作るときに必要です
- ビタミンA:皮膚や粘膜の健康に関わります
- ビタミンB群:皮膚の代謝を助けます
- ビタミンE:抗酸化作用があるとされます
- 鉄分・亜鉛:不足すると肌荒れの原因になることがあります
- 必須脂肪酸:細胞膜の材料になります
こうして見ると分かるのは、「これさえ食べれば」というものはないということです。いろいろな栄養素が組み合わさって、肌は作られています。
そのなかで、鯛が貢献できるところをご紹介しますね😊
3. 鯛に含まれる、肌に関わる栄養素
① 良質なタンパク質
鯛は低脂肪でありながら、タンパク質が豊富な魚です。肌の材料となるアミノ酸を、効率よく摂ることができます。
脂質を抑えながらタンパク質を摂りたい——美容と体型の両方を気にされる方には、ありがたい食材でございます。
② ビタミンB群
皮膚の代謝に関わる栄養素です。鯛にはビタミンB1、B2、B6、ナイアシンなどが含まれています。
③ ビタミンD
骨の健康に関わる栄養素としてよく知られていますが、皮膚のはたらきにも関与するとされています。
④ DHA・EPA
細胞膜の材料となる脂肪酸です。体内でほとんど作れないため、食事から摂る必要があります。
⑤ タウリン
魚介類に多く含まれる成分です。肝臓のはたらきに関わるとされ、結果として体調全体に関わってきます。
4. 鯛の部位別・栄養の違い
| 部位 | 特徴 | 美容の面から |
|---|---|---|
| 身(背) | 低脂肪・高タンパク | カロリーを抑えてタンパク質を摂りたいときに |
| 身(腹) | 脂がのっている | DHA・EPAが比較的多く含まれます |
| 皮 | ゼラチン質が豊富 | コラーゲンを多く含む部位です |
| かぶと(頭) | ゼラチン質とコクがある | 目の周りはコラーゲンが多いとされます |
| 中骨・アラ | 出汁が出る | 煮出した汁に、溶け出した成分が含まれます |
よく「鯛の目の周りはコラーゲンが多い」と言われます。実際、かぶとを煮るととろりとした煮汁になりますが、あれがゼラチン質(加熱されたコラーゲン)でございます。
ただ、先ほど申し上げたとおり、食べたコラーゲンがそのまま肌になるわけではありません。「体に良いタンパク質を摂っている」とお考えいただくのが正確でございます🐟
5. 一緒に摂りたい栄養素
鯛だけでは足りない栄養もございます。組み合わせを意識すると、より効率的です。
ビタミンC|コラーゲン合成に必要です
体内でコラーゲンを作るとき、ビタミンCが必要になります。タンパク質だけ摂っても、ビタミンCがなければ合成が進みません。
合わせたい食材:すだち、レモン、パプリカ、ブロッコリー、いちご、キウイ
鯛に柑橘を搾るのは、味の面だけでなく、理にかなった組み合わせなのですね😊
ビタミンA|皮膚や粘膜の健康に
合わせたい食材:人参、かぼちゃ、ほうれん草、小松菜
鯛めしに人参を入れるのも、彩りだけでなく栄養の面でも理にかなっております。
ビタミンE|抗酸化作用が期待されます
合わせたい食材:アーモンド、オリーブオイル、かぼちゃ、アボカド
鯛のカルパッチョにオリーブオイルをかけるのは、この点でも良い組み合わせです。
食物繊維|腸内環境を整えます
肌の調子は、腸の状態とも関わるとされています。
合わせたい食材:根菜、海藻、きのこ、豆類
6. 美容の面から見た、鯛の調理法
| 調理法 | 美容の面から見た特徴 |
|---|---|
| しゃぶしゃぶ | 油を使わず低カロリー。野菜も一緒に摂れます |
| 刺身・昆布〆 | 加熱で失われる栄養素も、そのまま摂れます |
| カルパッチョ | オリーブオイルとレモンで、ビタミンEとCも一緒に |
| 潮汁・アラ汁 | 煮汁に溶け出した成分も摂れます。汁ごといただくのがコツ |
| かぶと煮 | ゼラチン質が豊富な部位。煮汁も一緒にどうぞ |
| 塩焼き | 油を使わずシンプルに。ただし焦げは控えめに |
| 鯛めし | 出汁ごといただけます。野菜を加えるとなお良いですね |
ポイントは「汁ごといただく」ことです。煮汁や出汁には、溶け出した成分が含まれています。潮汁や鯛めしのように、汁ごと召し上がる料理は理にかなっているのですね🐟
7. 食べ物より大事かもしれないこと
美容の記事でこう申し上げるのもなんですが、正直なところをお伝えします。
肌の状態に関わること
- 睡眠:肌の修復は睡眠中に進みます。何より大きい要因かもしれません
- ストレス:ホルモンバランスを通じて、肌に影響します
- 水分:体の内側からの潤いは、水分があってこそ
- 紫外線対策:外からのダメージを防ぐことも大切です
- 食事全体のバランス:特定の食品より、全体の組み合わせが効きます
- 体調:胃腸の調子、ホルモンの状態、年齢による変化
どんなに良いものを食べても、眠れていなければ肌は整いません。食べ物は、要因のひとつにすぎないのですね。
ですから「これを食べれば肌がきれいになる」という話は、どうぞ話半分に聞いておいてくださいませ。私どもも、そういう売り方はしたくないと思っております😊
8. 女将が食と健康を考えるようになった理由
美容を意識される方におすすめのお品
9. まとめ
この記事のポイント
- 食べたコラーゲンが、そのまま肌のコラーゲンになるわけではありません
- ただしタンパク質は肌の材料。しっかり摂ることは大事です
- 鯛は低脂肪・高タンパク。カロリーを抑えて栄養を摂れるのが利点です
- コラーゲン合成にはビタミンCが必要。柑橘を添えるのは理にかなっています
- 皮やかぶとにはゼラチン質が豊富。煮汁ごといただくのがおすすめです
- 睡眠・ストレス・紫外線など、食べ物以外の要因も大きく関わります
- 我慢するより、おいしく楽しく召し上がるほうが近道かもしれません
「これを食べれば」という魔法のような食べ物は、残念ながらございません。
けれど、栄養のあるものをおいしく食べて、よく眠って、気持ちよく過ごす。その積み重ねが、いちばん確かな道なのだと思います。
鯛は、その「おいしく」の部分をお手伝いできる魚でございます。どうぞ食卓にお役立てくださいませ🐟😊










女将のひとこと
少し個人的な話をさせてください。
私は長いこと、健康が取り柄のような人間でございました。風邪もあまりひかず、体力には自信がある。食べ物のことなど、深く考えたこともありませんでした。
ところが30代後半のとき、思わぬ病気が見つかりまして、手術と入院をすることになったのです。
あのときは本当に驚きました。「自分は大丈夫」と思っていたぶん、よけいに堪えたのかもしれません。
それ以来、食べることと健康について、ずいぶん考えるようになりました。日々口にするものが、少しずつ自分の体を作っているのだと、頭ではなく体で理解したという感じでしょうか🐟
とはいえ、神経質になったわけではございません。むしろ逆で、無理のない範囲で、おいしく続けられることを選ぶようになりました。
極端な制限をしても続きませんし、我慢ばかりでは気持ちが沈みます。それより、体に良いものをおいしくいただいて、「ああ、幸せだな」と思えるほうが、ずっと体に届いている気がするのです。
鯛は低脂肪で高タンパク、そのうえ美味しい魚でございます。我慢せずに、おいしく栄養を摂れる。これは思いのほか大事なことだと、あの経験を経て思うようになりました。
どうぞ、日々の食卓にお役立ていただければ嬉しく存じます😊