鯛の塩焼きの作り方!ふっくらジューシーに仕上げるコツと失敗しない焼き方

鯛の塩焼きの作り方!ふっくらジューシーに仕上げるコツと失敗しない焼き方

こんにちは、明石めで鯛やの女将です🐟
鯛の塩焼きは、いちばんシンプルで、いちばん腕が出る料理だと思っております。塩を振って焼くだけ——けれど、その「だけ」がなかなか難しいのですよね。
身がパサついてしまった、皮が網にくっついて崩れた、生焼けだった、逆に焦がしてしまった。そんなご経験のある方も多いのではないでしょうか。
でもご安心くださいませ。押さえるところさえ押さえれば、ご家庭のグリルでも料亭のようにふっくら焼き上がります。この記事では、下ごしらえから焼き方、失敗したときの立て直し方まで、順を追ってお伝えします😊

目次

1. 鯛の塩焼きが「難しい」と言われる理由

材料は鯛と塩だけ。手順も「塩を振って焼く」だけ。それなのに難しく感じるのは、ごまかしがきかないからです。

煮物なら煮汁が味を補ってくれますし、揚げ物なら衣が身を守ってくれます。けれど塩焼きは、魚の質と火の入れ方がそのまま出てしまいます。だからこそ、料理人の腕が問われる一品とされてきたのですね。

とはいえ、難しいのは「コツを知らないから」であって、才能の問題ではございません。ポイントは下ごしらえ・塩の振り方・火加減の3つだけ。順にご説明しますね🐟

2. 下ごしらえ|ここで7割決まります

焼く前の準備で、仕上がりはほとんど決まってしまいます。面倒に思えるかもしれませんが、どれも数分で終わることばかりです。

① ウロコをていねいに取る

包丁の背か、うろこ取りを使って尾から頭に向かって。ヒレの付け根、エラの周り、腹の際に取り残しが多いので、指でなぞって確認してください。食べているときに口に当たると、それだけで台無しです。

② 内臓とエラを取り、血合いを洗う

腹の中の血合い(背骨に沿った黒い部分)は、生臭さのもと。歯ブラシや指先でこすり落とし、流水でしっかり洗い流します。

③ 水気をしっかり拭き取る

ここが意外な要所です。表面が濡れていると、焼くより先に蒸れてしまいます。キッチンペーパーで、腹の中まで丁寧に押さえてください。

④ 切り込みを入れる

身の厚い部分に、斜めに1〜2本。火の通りがよくなり、盛り付けも美しくなります。深さは骨に当たる手前まで。

切り身をお使いの場合も、水気を拭くのは同じです。ここを省くと、どんなに上手に焼いても水っぽい仕上がりになってしまいます😊

3. 塩の振り方|振り塩と化粧塩

塩焼きの塩には、2つの役割があります。味をつける塩と、見た目を整える塩。それぞれ振り方が違うのです。

振り塩(味のための塩)

焼く20〜30分前に、魚の両面へまんべんなく。目安は魚の重さの1〜2%程度です。高い位置から振ると均一に散ります。

しばらく置くと、表面に水滴が浮いてきます。これは魚の余分な水分と臭みですので、焼く直前に必ず拭き取ってください。この一手間で、生臭さがぐっと減ります。

化粧塩(見た目と焦げ防止のための塩)

尾ビレ・背ビレ・胸ビレは薄いので、真っ先に焦げてしまいます。そこで焼く直前、ヒレに指で塩をすり込むようにたっぷりとつけます。

塩が熱から守ってくれるので、ヒレがピンと立ったまま、白く美しく焼き上がります。料亭の塩焼きがきれいなのは、この一手間があるからなのですよ🐟

※塩は、粒の粗い天然塩のほうが均一に振りやすく、角の立たない塩味になります。

4. 焼き方|グリル・フライパン・オーブン別

ご家庭の設備に合わせて、やりやすい方法をお選びくださいませ。どれで焼いても、美味しく仕上がります。

道具 火加減・時間の目安 ポイント
魚焼きグリル 中火〜強火で片面7〜8分、裏返して5〜6分 必ず予熱してから入れる。網に油を塗るとくっつきにくい
フライパン 中火で片面6〜7分、裏返して4〜5分 クッキングシートを敷けば、くっつかず崩れません
オーブン 220℃前後で15〜20分 裏返す必要なし。放っておけるので、おもてなしの日に便利

※時間はあくまで目安です。魚の大きさと機器によって変わりますので、様子を見ながら調整してくださいませ。

焼くときの3つの鉄則

  • 必ず予熱する:冷たい網に置くと、皮がべったりくっつきます
  • 盛り付けで表になる面から焼く:一尾なら頭を左に置いたときの上面から。最初に焼いた面のほうが美しく仕上がります
  • 触らない・何度も返さない:裏返すのは一度だけ。いじるほど身が崩れます

焼き上がりの見極めは、身の厚いところに竹串を刺して、透明な汁が出てくれば火が通っています。白く濁った汁が出るようなら、もう少しです😊

5. ふっくら仕上げる5つのコツ

① 冷蔵庫から出して常温に戻す

15〜20分ほど置いてから焼くと、中心まで均一に火が入ります。冷たいまま焼くと、外は焦げて中は生、になりがちです。

② 「強火の遠火」を意識する

昔から言われる焼き魚の極意です。強めの火で、しっかり距離をとって焼く。表面を香ばしく、中はじんわり火を通すための知恵でございます。

③ 焦げそうなら、アルミホイルをかぶせる

中まで火が通る前に表面が色づいてしまったら、ホイルを軽くのせて。焦げを止めながら火が通ります。

④ 焼きすぎない

パサつきの原因は、ほぼ焼きすぎです。「もう少し焼こうかな」と思ったところが、だいたいちょうどよい頃合いですよ。

⑤ 焼き上がったらすぐに供する

塩焼きは時間との勝負。焼きたてを、湯気の立つうちに召し上がってくださいませ。

女将のひとこと

塩焼きのいちばんのコツは何ですかと聞かれたら、私は「よい鯛を使うこと」とお答えしています。身も蓋もないようですが、これが本当なのです。
脂がのっていれば、多少焼きすぎてもパサつきません。鮮度がよければ、塩だけで十分に旨い。技術で補えることには限りがありますが、素材のよさは最後まで裏切らないのですよ🐟
当店では、脂のりのよい愛媛の鯛を使っております。まずは素材から選んでみてくださいませ😊

6. よくある失敗と、その直し方

× 皮が網にくっついて破れた

予熱不足か、網に油を塗っていないことが原因です。次回は網をしっかり熱し、油を塗ってから。クッキングシートを使う方法も確実です。

× 身がパサパサになった

焼きすぎか、水分を拭かずに焼いたことが原因です。もし出来上がってしまったら、あんかけにするか、ほぐしてお茶漬けにすると美味しくいただけます。

× 生臭さが残る

血合いの洗い残し、または振り塩の後に出た水分を拭かなかったためです。下ごしらえを見直してみてください。

× 中が生焼けだった

火が強すぎたか、冷たいまま焼いたためです。慌てずアルミホイルをかぶせ、弱火で数分追加すれば大丈夫。電子レンジで数十秒温める手もあります。

× ヒレが焦げて落ちた

化粧塩を忘れたサインです。次回はヒレにたっぷり塩をすり込んでから焼いてみてください。

7. 美しい盛り付けと、添えるもの

せっかくですから、盛り付けも整えてみましょう。難しいことはございません。

  • 頭は左、腹は手前:和食の基本です。一尾で焼いたときは、この向きに
  • 皿の中央より少し左寄せ:右手前に余白ができ、添え物が映えます
  • 添え物は右手前に:大根おろし、すだち、はじかみ(生姜の甘酢漬け)など
  • すだち・かぼす:切り口を上にして添えると、香りが立ちます

大根おろしに醤油を少し垂らして、ほぐした身と一緒に。これがまた、たまらないのですよね😊

8. 焼くのが不安な方へ|女将からのご提案

ここまでお伝えしておいて恐縮ですが、「一尾まるごと焼くのは、やっぱり自信がない」という方もいらっしゃると思います。特にお祝いの席となれば、失敗は避けたいところですよね。

そんなときは、調理済みのお品に頼っていただくのも立派な選択です。

商品 こんなときに 女将のおすすめポイント
鯛のかぶと煮 失敗せずに鯛のご馳走を出したいとき 甘辛く炊き上げた自慢の一品。温めるだけで、料亭の味が食卓に
鯛しゃぶ 火加減に自信がないとき 湯にさっとくぐらせるだけ。焼き加減を気にせず、確実にふっくら
鯛めしセット 手間をかけずに鯛を味わいたいとき 炊飯器におまかせ。蓋を開けた瞬間の香りがご馳走です

もちろん、塩焼きに挑戦されるのも素敵なことです。何度か焼いているうちに、必ず上達します。私も最初は焦がしてばかりでございました🐟

9. まとめ

この記事のポイント

  • 仕上がりは下ごしらえで7割決まる。ウロコ・血合い・水気拭きを丁寧に
  • 振り塩は焼く20〜30分前。浮いた水分は必ず拭き取ること
  • ヒレには化粧塩を。焦げを防ぎ、見た目が格段に美しくなります
  • グリルは必ず予熱。盛り付けで表になる面から焼き、裏返すのは一度だけ
  • 竹串を刺して透明な汁が出れば焼き上がり。パサつきの原因は焼きすぎです
  • 盛り付けは頭が左、腹が手前。添え物は右手前に

塩と火だけで仕上げる塩焼きは、料理の原点のような一品です。うまく焼けた日の喜びは、手をかけた分だけ大きいもの。
ぜひ一度、挑戦してみてくださいませ。そして「今日は失敗したくない」という日には、どうぞ私どもを頼ってくださいね🐟😊

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